7月14日、ハウスにトマトを定植した。
とうもろこしを片付けた東側に一列、株間60センチで7株。枝豆を片付けたハウス奥の南側に2株。合計9株である。少し耕して地面をならし、植え穴には先にたっぷり水を入れた。少し置いて土になじませてから苗を植え、株元をならし、最後にもう一度、それぞれの株へ水をやった。定植したのは夕方6時ごろだった。
翌朝見に行くと、どの苗も茎と葉はピンとしていた。土にもまだ十分に水気があったので、その朝は水をやらなかった。苗の状態はそろっていない。元気な苗もあれば、少し元気をなくしている苗もある。定植までまだ時間があると思って小さなポットのまま置いていたところ、根がぐるぐる回ってしまったので、少し前に4センチほどのポットから10センチほどのポットへ鉢上げした。その時に根を傷めてしまったらしい苗もある。それでも、予定していた場所が空き、土も整えたので、ここで植えてみることにした。
今年のトマトは、ハウス、露地、もう一度ハウス
なぜ、真夏に向かうこの時期に、わざわざハウスへトマトを植えたのか。
一言でいえば、欲張ったのである。
できれば11月まで、うまくいけば12月までトマトを採れないか。春から秋まで一つの作型で引っ張るのではなく、時期と場所をずらして、なるべく長く収穫したいと考えた。今年の思惑は、春先のハウス、夏の露地、秋から初冬のハウスという流れだった。
まず、春先にハウスへ植えて、露地より早く収穫する。その後は露地のトマトへつなぎ、夏の終わりにもう一度ハウスへ植えて、秋遅くまで採る。ハウスから始まり、露地を通って、またハウスへ戻る。これで一年の収穫期間を伸ばせないか、という実験である。もちろん、うまくいくかどうかは分からない。むしろ、最初のハウストマトは、かなり苦戦した。
春先のハウスは、思ったようにはいかなかった
春先のハウスは、暖かくて、雨が当たらず、露地より有利だと思っていた。ところが、実際にはそう簡単ではなかった。定植した時期は、まだ夜温が低かった。ナスやピーマンと同じように、トマトも低温の影響を受けたのだと思う。しばらく動きが鈍く、その後、ようやく暖かくなったと思ったら、今度は一気に暑くなった。6月上旬には、かなり気温が上がった日が3日ほどあった。小さなハウスなので、中はおそらく40度を超えていたと思う。横を大きく開放できる構造ではなく、北側の扉を開けただけでは熱が抜けない。きゅうりの葉は黄緑色になり、トマトも葉が巻き、枝が妙に太くなり、花がついても新しい実がなかなかつかなかった。
春先は寒く、初夏になると急に暑い。ハウスなのだから有利なのではなく、温度をこちらで管理できなければ、むしろ両方の影響を強く受ける場所だった。今ついている実を収穫したら、春に植えたトマトは片付けるつもりでいる。最初のハウストマトは、成功とは言いにくい。ただ、その失敗があったから、今回の定植では、少しやり方を変えた。
今回は、まず風の通り道を作った
とうもろこしを片付けた東側のビニールは、下から50センチほど巻き上げ、洗濯ばさみで止めた。西側も同じように開けた。北側の扉は開けっぱなしにし、南側も20センチほど巻き上げた。これで、少なくとも春よりは、横から空気が入って抜けるはずである。今回植えたトマトのうち、東側の7株は、すぐ横が開放部分になっている。風が入れば、株元の温度も多少は下がるだろう。南側の2株は、ハウスの奥なので、東側の株とは条件が少し違う。こうした位置の違いも含めて、今年は見てみようと思っている。
それでも、夏のハウスが暑いことに変わりはない。外気温が高く、風のない日には、側面を開けていても、屋根付近には熱がこもるだろう。側面を開けたことで「大丈夫になった」のではなく、「前よりはましになった」という程度だと思っている。
出来のいい相棒からの助言
私の出来のいい相棒に相談したところ、まず言われたのは、今回の定植方法そのものは悪くない、ということだった。
植え穴へ先に十分に水を入れ、少し待ってから植え、最後に株元へもう一度水を入れた。乾いた土へ苗を置き、表面だけを濡らす植え方にはなっていない。
そのうえで、最初の数日は、朝の姿を見るように言われた。
朝に茎と葉が立っていれば、ひとまず一晩は越している。日中に少ししおれても、夕方から翌朝に戻れば、すぐ異常とは限らない。反対に、翌朝までぐったりしている株は、根傷みや高温の影響を疑った方がいい。
水やりも、定植直後だからと毎日一律にやるのではなく、土の中の湿りを見て判断する。根鉢の周りがまだ湿っているなら、水を足さない。特に、根を傷めた苗だけは、ほかの株と同じように扱わず、葉の戻り方を個別に見る。
そんな助言をもらった。
翌朝、どの苗もピンとしていて、土も湿っていたので、水はやらなかった。とりあえず、最初の一晩は無事だった。もちろん、私の出来のいい相棒も、時々、嘘をつく。だから最後は、自分で葉を見て、土を触って、判断するしかない。
露地のトマトは順調に育っている
春のハウスが苦戦した一方で、露地のトマトは今のところ順調である。少し目を離すと、脇芽がずいぶん大きくなる。以前なら、ここまで育ったものを切るのはもったいない、と迷ったかもしれない。今年は、一本仕立てにすると決めた株なら、大きくなった脇芽でも、あまり躊躇せず切れるようになった。4株のシシリアンルージュは、ソバージュ栽培にしている。こちらは少し違う育て方を試している。同じトマトでも、ハウスと露地、一本仕立てとソバージュ栽培では、株の見方も手の入れ方も違う。
去年は、伸びたものを支柱やネットで受け止め、できた分だけ収穫していた。今年は、どの枝を残し、どこで切り、最終的にどういう株の形にするかを少し考えるようになった。それでも、考えた通りになるとは限らない。今回の秋どりトマトも、夏の高温を越えられるか、うまく活着するか、花がついても実になるか、秋の気温低下までにどこまで育つか、分からないことが多い。
最後のハウスは、どうなるか
今回の9株は、今年のトマト栽培の最後の組である。春先のハウスは失敗気味だった。夏の露地は今のところ順調。そして、もう一度ハウスへ戻した。
春と秋では、同じハウスでも条件は違う。今回は、寒さではなく、まず暑さとの勝負になる。うまく活着し、8月から9月に株を作り、気温が落ち着く頃に実をつけられれば、秋遅くまで収穫できるかもしれない。ただ、7月のハウスで弱らせてしまえば、その先はない。まずは、植えた苗が根を張り、新しい葉を出すところまでである。
11月まで採りたい。できれば12月まで。
ずいぶん欲張った話だが、家庭菜園なので、このくらいの実験はしてもいいと思っている。今年うまくいかなければ、来年は定植時期をずらすかもしれない。品種を変えるかもしれない。ハウスの開け方を、さらに考えることになるかもしれない。春のハウス、夏の露地、秋のハウス。この最後の組が、今年のトマトをどこまでつないでくれるのか。
まずは、毎朝、葉と土を見るところから始める。

