何となく植えるのをやめて、区画を分けることにしました

2026/07/07

畑づくりと設計 畑とまわりの記録

 最初のころは、空いているところに、その時作りたいものを植える、という感じでした。

家庭菜園といえば、まずはそれで始まるものだと思います。実際、やってみないと分からないことも多いので、それ自体が悪かったとは思っていません。ただ、何年かやってみると、それだけではだんだん回らなくなることも分かってきました。


春にここへ植えて、夏はあそこが空いて、秋はこの場所を使って――と、頭の中では何となく考えているつもりでも、いざその時になると、予定通りにはいきません。前の作物がまだ残っていたり、草が先に伸びていたり、思ったより土の状態が悪かったりする。結局、空いている場所に、とりあえず何かを入れる、ということになりがちでした。これでは、毎回その場しのぎです。


そこで、畑全体を少し引いて見ることにしました。

どこを何に使うのか、最初からざっくり役割を決めておく。春だけ、夏だけを見るのではなく、一年を通してどう回すかを考える。そのほうが、結局は無理がないのではないか、と思ったのです。


実際にやってみると、区画に役割を持たせるだけで、かなり頭が整理されました。

根菜や貯蔵野菜を置く場所。

秋冬のアブラナ科をまとめて入れる場所。

夏の果菜類を回す場所。

一度植えたら何年か動かさない多年草の場所。

ハウスは、露地の代わりではなく、時期を少しずらして楽しむための場所。

そういうふうに考えると、「この場所に今何を入れるか」だけでなく、「この場所は、そもそも何のための区画か」が見えるようになってきました。


たとえば、にんじんやじゃがいも、玉ねぎ、にんにく、豆類のように、比較的実用的で、季節ごとのつながりを作りやすいものは、ある程度まとまっていた方が管理しやすい。逆に、トマト、ナス、ピーマン、きゅうりのような夏の主役は、収穫や支柱作業、水管理もあるので、動線まで含めて考えた方がいい。さらに、アスパラやニラのような多年草は、毎年耕す場所に入れてしまうと落ち着かないので、最初から別にしてしまった方が良い。そんな当たり前のことを、ようやく整理して考えるようになりました。

区画を分けるようになって、面白かったのは、畑全体が少し静かになったことです。

もちろん作業が減るわけではありません。でも、「次にここで何をするか」がある程度決まっていると、迷いが減ります。毎回ゼロから考えなくて済むし、前の作物の終わり方も考えやすくなります。何となく植えていた時より、ずっと落ち着いて見られるようになりました。


それに、区画を分けると、失敗も見えやすくなります。

うまくいかなかった時に、「今年はたまたまダメだった」で終わるのではなく、この区画は何が向いていないのか、この時期の流れに無理があったのか、という見方ができるようになります。家庭菜園は、どうしてもその年その年の出来に目が行きますが、本当は、その場所をどう使ったかの方が大きいのかもしれません。


今もまだ完成形ではありません。

実際には、予定どおりにいかないことの方が多いですし、作物の出来によって区画の使い方を変えることもあります。でも、「何となく植える」のをやめて、「ここはこういう役割の場所」と考えるようになってから、畑全体が少しずつつながり始めました。


畑は、作物を置く場所というより、季節を回していく仕組みに近いのだと思います。

そして、その仕組みをどう作るかを考えるところに、家庭菜園の面白さがあるような気がしています。


次は、その中でも特に大きかった、土づくりの考え方がどう変わっていったかを書いてみようと思います。