とうもろこしは、思ったよりずっと難しかった

2026/07/07

ハウス 畑とまわりの記録

 とうもろこしは、毎年やってみたくなる作物です。

見た目にも夏らしいし、うまく採れた時の満足感も大きい。枝豆と並んで、「夏が来たな」と思わせる作物だと思います。


ただ、実際にやってみると、なかなか思い通りにはいきません。


去年は露地で作りました。

草に負けそうになりながらも、何とか実はつきました。これはいけるかもしれない、と思ったのですが、収穫前に、たぶんたぬきにやられました。食い散らかされた感じだったので、あれはほぼ確実にたぬきだったと思います。カラスならつつく程度ですが、たぬきは倒して、むいて、荒らしていく。ずいぶん見事にやられました。


それで今年は、露地ではなく、ハウスでやってみることにしました。

夜は扉を閉めれば、少なくともたぬきは防げるだろう、と。去年の反省を、そのまま場所の変更につなげた形です。ハウスの中では、東側に2列でとうもろこしを入れ、時期を少しずつずらして播きました。品種はゴールデンアロー。8株ずつ、10日おきに播いたので、収穫期も少しずつずれるはずでした。

考え方としては悪くなかったと思います。

実際、ハウスの中で育ったとうもろこしは、よく伸びました。いや、「よく伸びた」というより、伸びすぎました。背丈はどんどん高くなり、最初に播いたものは、とうとう天井に届くほどになりました。葉の間隔も広く、全体に細長い。いわゆる徒長気味の姿です。


その時点で、少し怪しいなとは思っていました。

とうもろこしは風で受粉する作物です。ところがハウスの中には自然の風があまりありません。しかも、雄花の穂は天井に当たっている。そこで、穂を手で揺らして人工的に受粉を助けようとしました。やらないよりはいいだろう、くらいの感じです。ですが、結果としては十分ではありませんでした。


6月23日、試しに収穫してみました。

3月22日に播いて、ちょうど90日ほど。日数としては、早生のとうもろこしとしてちょうどよいころ合いだったと思います。ところが、皮をむいてみると、実入りがかなり悪い。一番上の一本は、何とか5割から6割くらいは入っていましたが、二本目はほとんどスカスカでした。受粉がうまくいっていなかったのです。


ここで、かなりはっきりしたことがあります。

ハウスでとうもろこしをやるなら、問題は生育日数より、受粉です。味そのものは悪くありませんでした。実際、ちゃんと入った部分は十分おいしかった。だから、品種が悪いとか、ハウスでは甘くならないとか、そういう話ではなさそうです。問題は、ハウスの中で、どうやってしっかり受粉させるか、そこでした。

今年の反省をまとめると、いくつかあります。

まず、株が混みすぎていたのかもしれません。2列である程度まとまって植えたので、光を取り合って上へ上へと伸び、結果的に細く高くなりました。とうもろこしは、ある程度まとまって植えた方が受粉はしやすいのですが、ハウスでは露地ほど条件が単純ではありません。株間を広げた方が、少なくとも草姿は落ち着いたかもしれません。


それから、一本の株から二本採ろうとしたのも、欲張りだったと思います。

露地なら条件次第で可能でも、ハウスの中で受粉まで不安定な状態では、一番上の一本に集中させた方が良かったのでしょう。結果を見ると、二本目はほぼ身が入っていませんでした。収穫数を増やしたい気持ちはありますが、そういう時に限って、全体が中途半端になります。


さらに言えば、とうもろこしはハウス向きとは言い切れない、ということもよく分かりました。

去年の露地では、たぬきにやられた。

今年のハウスでは、たぬきは防げたが、受粉で失敗した。

つまり、場所を変えれば全部解決するわけではないということです。それぞれに、それぞれの難しさがあります。


ただ、今年の経験は無駄ではありませんでした。

少なくとも、ハウスでやれば味はちゃんと良くなること、そして問題点が「受粉」と「草姿」だということは、かなりはっきりしました。たぬき対策としてはハウスは有効ですし、時期を少し早めたいという気持ちもあります。だから、完全にやめるのではなく、もし次にやるなら、株数を減らす、株間を広げる、一本どりを基本にする、そして人工授粉はもっと直接的にやる、という方向になると思います。


家庭菜園では、うまくいくかどうかよりも、何が壁だったかが見えることの方が大事な気もします。

とうもろこしは、見るからに夏らしくて、気持ちのいい作物です。けれど、実際には、受粉、草姿、害獣と、思った以上に考えることが多い。今年は、その“面倒な部分”が、ずいぶんよく見えた年でした。


去年は露地で、たぬきに負け、

今年はハウスで、受粉に負ける。

なかなか素直には採らせてくれませんが、それでも、ちゃんと実が入ったところを食べると、またやってみたくなるのが困るところです。


来年どうするかは、まだ決めていません。

でも少なくとも、「とうもろこしは簡単そうで難しい」ということだけは、もうよく分かりました。