有機野菜は、多くの場合、ヤマトの宅急便や佐川急便、西濃運輸、などの路線便を使用します。業者が集荷に行く場合もありますが、多くのコストがかかっています。一方、普通(慣行栽培)の農家はどうしていますか?農協の集荷場に持っていけばそれでおしまい。運賃は意識しません。
荷物を集めても、便が立てられるほど(トラックが満載になるほど)集まりません。数件の有機農家仲間で共同で集荷場を作ったところで、無理なことです。しかし、すでに走っている「市場便」を探して、そこに載せてもらうことができれば、一箱でも二箱でも、問題ありません。
ひさまつ農園では、戸田市の出荷先まで宅急便で出荷していましたが、市場便を見つけることができたので、運賃を半分以下にすることが出来ました。
2021年11月は187箱あったので、65,000円以上の削減になっています。これで、慣行野菜に比べて運賃は同等ということになり、有機野菜が高い理由が「運賃が高いから」ということには、ならなくなります。
ひさまつ農園は、運よく市場便を見つけることができた、ということですが、実際、大田市場には毎日、全国から10トントラックが「バンバン」到着しています。
物流の課題は、有機農業・有機野菜の特別なものではないです。物流に限らず、有機農業の問題として有機農業の世界で解決しようと考えるのではなく、既存の農業・青果物流通や仕組みの中で考えなければ解決できないと思います。