「有機野菜が、市場で買えるように。」

2021/10/10

有機農産物流通を考える

 私が、自然食品店(有機野菜の八百屋)をやっているときに、お客さんに「今日は、キャベツはないの?」と聞かれて、その日は天候不順で欠品していたのですが「有機野菜は、市場で買ってくるわけじゃないんだから、ないんだよ」と答えていました。これは、「貴重なもの・特別なもの」としての説明でした。


有機農産物のマーケットが広がらない、と言われています。「みどりの食料システム戦略」が話題になっています。「0.5%を1%にさえできなかったのに、どうやって、25%にするんだ」という話もありますが、「物流費と中間流通費が高いから」というのも、大きな要因です。特殊な、ある意味、閉鎖的な世界だけで解決しようとしていたから、解決できないのではないでしょうか。もしかしたら、別に広がらなくてもいい、という力も、どっかで働いているのでは?とも思ってしまいます。


物流に関しては、日本中の野菜は大田市場に集まるのだから、大田市場を使うのがいちばんいい、というのは、誰でもわかることで、ずっと言われてきましたが、一向に実現しなかった理由は、上述の通りだと思います。私は、この度「有機野菜の取り扱いを増やしたい」という仲卸業者さんと知り合い、お手伝いをすることになりました。有機の世界だけで解決せずに、大田市場の仕組み、機能を使って、有機農産物の流通を「一般なも」にする!という、ミッションです。単に、トラックの積み下ろしの場所に使うだけではなく、「大田市場で、有機野菜の市場」を実現したいと考えています。


有機野菜は、いつまでも「特別なもの」であっては、だめです。「有機野菜を市場で買えるように。」したいのです。